enchantMOON はどこに向かうのか?


enchantMOON 発売延期

enchantMOON の発売が延期されるらしいですね。UEI の 発表 はこちらにあります。

製品、ゲームなどなどいろんなモノが毎日発売されているわけですが、いかにダメだと分かっていても「延期」せざるを得ない状況というのものは発生しますし、それを避けることもこれまた非常に難しく、世の中絶対なんて言葉ないんですよ、という感じもするし、アレコレ手を尽くした結果やっぱりどうしようもないとなった最後の最後に「延期」を発表すること自体はさして珍しくもない世の中なわけですが、enchantMOON はその前評判も手伝って、やはり、というか、案の定、というか、「延期かよ!」と話題になっています。なりました。

私は enchantMOON には興味もあって期待もしているけれど予約はしていません。(これからも売れ続けて、一年後もまだ買えるよ!という状況なら、あるいは買うかもしれませんが。期待してますよ。本当に。マジで。)その上、製造にがっつり関わったわけでもなければ、しょせん現場を遠目で見ていたソフト屋の戯言以上のものはありません。

にも関わらず、あまりに製造にまつわる負の「あるある」路線を実直にブレることなく着々と進まれている状況を見ると、全くの部外者とはいえ、いや部外者だからこそ、安全なところからどうしてもツッコミを入れてたくなってしまったのです。おまえごときが何言ってやがる、対案出せ、という意見、高説、誹謗、中傷の類を表明する気満々の人はここで引き返していただいた方がいいです。

むしろ、その方がありがたいです。特に、意識高いことを自負されている方、出落ち感のある変なお面の方、ノマドこそが人生みたいな方、仕事の代金を踏み倒すことを気にしない方、それらを尊敬してやまない方々はお帰りいただいた方がいいです。

それでもなお、と思われる方は、酒でも飲みつつ、バーカバーカ、と指しながら読んでいただければ幸いです。

「おれ、もっと悲惨な現場知ってるぜ!」という報告はお聞きしたい気持ちもないわけではありませんが、私の心が折れる可能性がありますので、謹んでご遠慮いたします。

発表から2日ほど経ったし、みなさん落ち着いた頃合いだろうし、最近あまり文章らしきものも書いておりませんでしたので、ネットの片隅でちょっと雑感などを書いてみようと思っただけですしね。

生暖かく見守っております

今回の発売延期の報告で、Morphy One を思い出す人々 (togetter.com/li/502763) もいれば、ハードメーカーの方のツッコミ (togetter.com/li/502741) もあれば、どこぞのタブレットの液晶は IPS だったはずが... みたいなものを思い出したり、いろんな立場からいろいろツッコみし終えた頃でしょう。

そういう私の twitter でのやりとりでもちょっとしたネタにはなったわけですが、夢見ただけで終わった Morphy One 扱いはさすがに酷すぎるとは思いますが、一言で言うなら「甘すぎwww」という印象を持ったんではないかと思います。

ざっくりとした 140 文字以内で書かれたツッコミは togetter のまとめを見ていただくとして、もうちょっといろいろ見てみましょう。

[お詫び]enchantMOON 出荷延期のお知らせ で発売延期となった理由を清水氏本人が書いていますし、今後のスケジュールも書いてあるわけですが、まだまだ一筋縄ではいかないだろう、というか、むしろ、これからが本番では?というのが、大方の予想ではないでしょうか。

「中国の上場企業でかなり大きな会社」だったとしても、「製造のプロ」だったとしても、「5月下旬発売と念を押して契約したつもり」だったとしても、部材が無ければモノが作れない状況は変わったりしないんですよね、残念ながら。

お詫びの中にこんな文章があります。

当初の予想以上に製造ロットが膨み、 製造コストを抑えるために原材料を一気に調達する必要が出て来たことで、 部品の製造量が量産を開始するのに必要な量に届かず、 時間がかかっているとのことでした。

「えっと、すまない。日本語で話してくれないか?」と感じざるを得ないほどに非常に読みづらい文章になってしまっているのは、いろいろあって整理しきれないまま書いてしまったのかなぁ、と生暖かい目で見るべきでしょう。

工場が金がとれない可能性があるのに承知で勝手に製造ロットを膨らますわけありませんから、発注者側が、いざ予約を受け付けてみたら予約サイトが落ちるくらい予約が入って、「ウヒョー!スゲー!スゲー!」と気分が舞い上がってしまい、当初の第一次ロットの生産予定に対して「非現実的な分量」を発注した結果、部材調達が間に合わなくて生産できないらしい、ということなのでしょう。たぶん。おそらく。きっと。

「一気に調達」の内容の真意が分からないのですが、発注数分を「一括納入」ということになっていれば、そりゃ生産も遅れるというものです。そんなに急に部材を調達できて製造できるわけないんですよね。

そもそも「一気に調達」の話は製造ロットの数に関係ないはずなんですよね? enchantMOON価格決定プロセス / "新しいコンピュータ"が39,800円である理由 中で、以下のようなことが書いてたじゃないですか。いやだなぁ。

4月23日中に予約された分はよほど非現実的な分量でない限りは製造できるよう部材の確保をギリギリまで工場に待ってもらっています。24日には部材を発注するので、23日に予約を頂いた分は最低限作ることが出来ると思います。が、本当にあまりにも多く注文を頂くと生産が何ヶ月かに渡ってしまうかもしれません、注文を頂いた順番になると思います。そんなに大きな工場ではないので。

また、以下のようにも書いてるわけです。

第三世界ではPCの代替品としてタブレットが用いられるケースが増えており、慢性的な品不足になっているそうです。

「だ、だいさんせかいwww」とか「慢性的な品不足を認識していながらこれかよwww」とか「かwwwかwwwくwwwけっwwwてwwwいwwwプwwwロwwwセwwwスwww」という、草だらけで何が書いてあるのか分からなくなってしまうツッコミをしないでおいてあげるのも、老害と呼ばれるオトナなのかもしれません。

しかし、このこと自体も本当はかなりおかしな話ではありまして、2013/5/3 の 量産目前の近況報告 では、

本格的な量産はたぶん週明けからです。

と書いているわけですが、延期の発表があった日までのズレはきっとなんとかならないか調整に調整を重ねていた、ということにするのが、窓際でフリーセルをやることしかない老害化したオトナというものなのでしょう。ここまでいろんな工程に対していろいろ書かれていたのにここだけは触れないんですね、ということも言わないのがいいのだと思います。

まぁ、彼らの世界では「量産始まりました?問題とかありませんか?」という確認なども「プロ」にしないものなのでしょうし、「工場の量産ラインに乗って、ボコボコ産まれて来てます。」の結果が実際には何台だったのか、それはそもそも本当に量産ラインなのだろうか、など気になる点が多々ありすぎて、メーカーの担当者が、完全に新規の製品の量産を前にしたときに、夜も眠れないかもしれない状況においても、「たぶん」という言葉で済ませられる程度である、ということがすべてという気もしますので、このような状況であってもなお、ツッコミを我慢するのが老害で呼ばれて幾年月なオトナな対応なのでしょう。

(もうだいぶ疲れてきたな。もういいかな。もういい気もするんだけどね。)

「ここまでになってしまったのは仕方ないので、生産計画を大幅に修正してリカバリーを考えましょう。」となるかと思いきや、まだまだ暴走列車は止まる気配はありません。そりゃ、止まるわけありませんよ。カンペキな製品が今後がじゃんじゃん量産されていくはずなんです。

[お詫び]enchantMOON 出荷延期のお知らせ の中で、タッチパネルの納品が早くて 6/4 になることが書かれています。この日にちゃんと全数納入されるといいですね、という生暖かい感想を抱く一方で、それ以外の次々に納入されてくる部材は大丈夫でしょうか。最終組み立てまで適切に保管・管理しないといけないんですよね。まぁ、彼らは「プロ」ですし、契約もしていますし、お金も払っているでしょうから、きっと素晴らしくきっちりと管理されていることを適当にお祈りするばかりです。

また、急ピッチで増産しているだろうタッチパネルの品質が、試作品と同等あるいはそれ以上の素晴らしいものであることをどこかで思い出したときにお祈りしつつ、想定通り、「すぐさまアッセンブルしてパッキング」でき、「かなり保守的に見積もって10%」なる不良率に収まることも合わせて、忘れなければお祈りしておきます。

6/4 タッチパネル納品で、6/10 に国内での作業も全部終えた最初のロット 200 台が出る、というスケジュールが達成されることも、何かついでにお祈りします。

第一次ロット予約の人には、第三次ロットの余裕なんかどうでもいいからさっさと作れよ、という気持ちを持っておられるかもしれませんが、もうどうでもいいでしょう。ないものはない、ダメなものはダメ、なのですから。

今後の予定についても、イベントを心配できる程度には余裕があるようですし、元石油化学メーカーの方の知見と、新しく雇用された聡明な方が現場にはりついての直接交渉と、日本人社員がラインに目を光らせた結果、素晴らしい製品がスケジュール通りに量産され、これ以上製造「あるある」ネタをフルコンボされることがないよう心のどこかでお祈りしております。

Android カーネルに手を入れられていることを滔々語られておりますので、これについては、どこまで公開されるのかを大変心待ちにしております。

最後に、デジタイザーは単六電池を使用する、という記事を見かけたのですが、私の狭い知識の中では、国内メーカーは製造していなかったように思います。購入される方々におきましては、ある日突然デジタイザーが動作しなくなったときに、コンビニでちょっと電池買ってくるわ、というわけにはいかない可能性がありますので、十分ご注意ください。

どれくらい持つのか知りませんけど。

あー、忘れるところでした。「そもそも静電容量式タッチパネルとデジタイザーを組み合わせた部品そのものが減って行く傾向」だそうですので、デジタイザーの紛失にも十分注意が必要ですね。

私は予約していませんけれども。

私は enchantMOON を応援しています。


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